2006.06.09

坂の街〜尾道(2)

御袖天満宮で血脈を辿る旅も終わり。

060525_0212
ここが大林宣彦の「転校生」のロケ地のひとつだと旅を終えたのち、知った。

060525_0213


微熱が続き臥せっている。

--- 「世に棲む日々」司馬遼太郎著より ---

『いまひとつ、かれを憂鬱にしていることがあった。晋作は浮世にいるころ、自分ほど知人、友人の多い人間もないとおもっていたが、意外にもたれもこの獄舎にたずねて来ない。
(これはどうしたことだ)
 と、そこは人の世に生きた日が浅いために晋作はこの点、少年のような甘さと期待をもって友人の来訪をまっていたのだが、たれ一人来なかった。松蔭のばあいは、そういう訪客が多かった。
 晋作のばあいは一人もないということは、
(結局は、人柄かな)
 と、みずから自嘲する思いだった。

- 中略 -

 晋作は、おもった。かねて自分には配下や門人の頭領となり、それをしたがえて一大勢力をつくる −たとえば薩摩の西郷のように− というところがないとおもっていたが、そのことが下獄して明白になった。晋作は、やはり一騎駈けの武者であるとおもった。暗雲のこめた曠野を白馬で駈けてゆく詩的風景のなかの人物なのであろう。』

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.07

坂の街〜尾道

060525_0194
千光寺道の石段途中で一息。

060525_0197

--- 「世に棲む日々」司馬遼太郎著より ---

「この召喚命令をうけたとき、
(きっと父のさしがねにちがいない)
とおもい、自分のことをいつもおろおろしながら心配している父母や祖母の顔がうかんだが、しかしこの稀代の革命児になる男の奇妙さは、そういう彼の肉親に対してひどく従順で、なんの反感ももたなかったことであった。それがちょうど天災であるかのようにあきらめてしまっているところがある。さらにかれのふしぎは、藩命に対しても同様に従順であることであった。かれの生涯がそうであった。」

「この奔馬のような精神を持った青年は、忠と孝だけを自分の絆にして、かろうじて自分を縛っている」

| | コメント (0) | トラックバック (0)